専門家が外資ベンチャーに転職することのメリット・デメリット【非常に良い経験】

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こんにちはMitchです。2019年5月末まで弁護士数百人を抱える大規模法律事務所に弁護士として所属していましたが、2019年6月、再生可能エネルギーに投資する外資系投資ファンドに転職しました。

転職当時はメンバーが5人しかおらず、また仕事も会社内の弁護士という立場になり、全く異なる環境に戸惑いました。

その後陣容が拡大し、今では15人程度までメンバーが増え、人が入り切らないのでオフィスも引っ越しをしました(コロナ禍で広いオフィスを持て余し気味ですが…)。

そこで、今回は、自分のこれまでを振り返り、専門家が外資ベンチャーに転職することについてのメリット・デメリットについて考えてみます。

(自分が弁護士なので、「専門家」というのはほぼ弁護士を想定して書いていきますが、会計事務所に所属する会計士さんや、税理士法人に所属する税理士さんなどにも該当することではないかと思っていますので、ひとくくりに「専門家」ということで書き進めていきます。)

この投稿を読むとわかること
・外資ベンチャーの魅力
・専門家が外資ベンチャーに転職することのメリット・デメリット

目次

外資ベンチャーの魅力・働くことのメリット

英語を日常的に使う環境

これはベンチャーに限らず外資系一般の特徴といえるかもしれませんが、日常的に読み書き話す聞くの英語を使います

特に法務責任者や財務責任者というポジションであれば、米国本部や欧州本部といった英語を母国語とする人々とのコミュニケーションがあるのが通常です。

例えばローススクールやビジネススクールを卒業した後、英語を使う環境を求める人にとってはうってつけの環境です。

良い意味でいろいろ決まってない

これまで確立した組織の中で働いている人にとっては、もしかしたらフラストレーションが溜まる点かもしれませんが、ベンチャーはいろいろなことがちゃんと決まっておらず、その場その場で場当たり的に解決して成長してきているという側面があります

外資のベンチャーであればなおさらグダグダな感じです。

自分で解決しよう、自分で作り上げよう、自分にとっていい経験にしてしまおう、というマインドセットがある方なら、この不安定感を楽しめることができるはずです。

スピード感

外資ベンチャーは、本国での意思決定など、いったん方針が決まれば、ものごとが一気に進んでいきます。

極端ですが、

「●●決まったので契約書作って明日相手と契約結んでおいて~♪」

みたいな作業の依頼も全くないわけではないです。

このスピード感は専門家事務所で勤務しているとなかなか味わえない面白さだと思います。

専門家事務所に所属する場合と求められるものや目線が違う

これは外資ベンチャーということではなく組織内の専門家一般にいえることだと思いますが、専門家事務所に所属する場合、その専門家は受ける案件やプロジェクトをこなせばそれで仕事は全て終わります。ある意味「狭く深く」の世界といえます。

一方で、組織に所属する専門家の場合、日々生じる問題をとにかく網羅的に潰していく必要があります。その意味で「広く浅く」の世界ということができます。

専門家の良いところ・真似すべきところ、気をつけるべきところがよく分かる

これも外資ベンチャーに限定したことではないですが、また、将来的に専門家事務所に戻る可能性があることが前提ですが、専門家事務所に戻った際に使える方法や考え方などを教えてもらえる機会になることが多いです。

日常的に外部の専門家事務所の専門家と一緒に仕事をすることになる関係で、専門家のいいところ、悪いところや、真似すべきところ、気をつけるべきところなど、本当によく分かります。

自分の例でも、法律事務所に所属していたときにこんな早くレスポンスしてたっけか?とか、こんなプラスアルファのアドバイスできてたっけな?と振り返ってなるほどと思うことも多いです。

一方で、これやったら評価下がるんだ…と感じることもあります。

個人的にはこの点が外資ベンチャーで働くことになり、最も大きな学びがあったところだと思っています。

外資ベンチャーで働くデメリット

安定感がない

専門家を目指した方の中で、自分が明日会社がなくなるかも…と思いながら仕事をする環境を求めた人はほとんどいないのではないでしょうか。

私が所属しているファンドの業界は再生可能エネルギー業界で、そこまで急に投資環境が変わったりするということはありませんが、政府の方針変更のせいで、想定していた投資が難しいのでは?将来的に日本のビジネスどうなっちゃうの?と思うことは多々あり、これは専門家事務所に属していたときには全く感じたことのない、悪く言うと不安な感覚です。

採用時に予定していない仕事が発生する

外資系だと採用時にJob Description(職務明細書)に業務内容が詳細に記載されていることが多く、めったに職務明細書に記載されたもの以外の業務を担当しなければならないということはないはずです。

一方で、外資とはいってもベンチャーの場合、人も少ないために全ての仕事を少人数でカバーする必要があり、

「職務明細書に記載がないのでこの仕事やりません!」

などと言う人がいると組織が成り立たなくなるため、みんなで穴がないようにサポートし合う必要があります。

まとめ

つらつらと書いてきましたが、個人的にはとてもいい経験をさせてもらっていると感じています。

ずっと専門家事務所で働いている人にはおよそ持つことができない視点を得ることができるのが専門家事務所を(将来的に戻るにしても)出てみる大きな意味だと考えています。

海外のロースクールやビジネススクールを出て、もっと英語を使う環境に身を置きたいとか、人と違った経験をしてみたいと思っている方、外資ベンチャーに飛び込んでみてはいかがでしょうか。

もし私に質問や相談などあれば遠慮なくご連絡下さい。お話できることを楽しみにしています。

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