インフレってなに?なぜ適度なインフレならいいの?【金融教育】

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こんにちはMitchです。先日、「子供に対するお年玉を使った金融教育」の中で、

預貯金の金利以上に物価上昇(インフレ)が起きている場合、預貯金の価値は、買うことができる物との関係では減っている、ということができます。

このように、預貯金をしつつも、親御さんは子供さんに対して、

  1. 現金や預貯金とインフレの関係

を中心に、経済や金融に関する知識を伝えることが可能なはずです。

と説明しました。
この点についてもう少し深堀りして、親御さんが子供さんから「インフレってなに?」と聞かれた場合、どのように答えたらいいのか、考えてみます。

この投稿を読むとわかること
・インフレの子供向けの説明方法
・インフレの面に関し、アベノミクスとは何だったのか
・適度なインフレとハイパーインフレの違い

目次

インフレって簡単にいうと何なのか?

インフレとは、「モノやサービスの値段が上がること、上がり続ける状態」を言います。

一方で、お金を主体として考えると、「お金の価値が下がること、下がり続ける状態」を言います。
つまり、今あるお金を出せば買えたものが、将来には同じものが同じ値段で買えなくなってしまい、または同じサービスが受けられなくなってしまい、同じものを買ったり、同じサービスを受けるには、さらにお金を支払う必要が出てきてしまう、ということです。

例えれば、インフレ率(物価上昇率)が年5%だった場合、今100円で買えた商品は、1年後、同じ商品が欲しいと思っても、同じ100円では買えず、105円を出さないといけないことになります。
お金の価値という切り口で見ると、1年後には100円の価値が下がってしまっていて、今の100円の価値は、1年後には余分に5円足して初めて同じになり、同じ商品が買えるになる、ということです(この説明でももしかしたら子供さんには難しいかもしれませんが…)。

アベノミクスで目指していたこと

安倍晋三前内閣総理大臣の下進められていたいわゆる「アベノミクス」では、

インフレ目標2%

が掲げられていました。
(参考: 現代の経済、現代と経済Courses 第6回 インフレとデフレのお話し:アベノミクスとインフレターゲット)

この目標を達成するために量的緩和を中心とした政策が採られましたが、結果的にはインフレ目標2%を達成することなく、安倍政権は退陣しました。

適度なインフレがなぜ経済にいいのか?

結果的にはうまくいかなかったものの、なぜアベノミクスではインフレ目標2%を掲げていたのでしょうか?
また、なぜ10%、20%を掲げなかったのでしょうか?
さらには、なぜデフレではダメだったのでしょうか?

ハイパーインフレ

まず、異常に高いインフレ率(ハイパーインフレ)は良い状況ではありません。お金に対する信用がなくなってしまいます。
よく持ち出される例として第1次世界大戦後のドイツがあります。
笑い話のレベルだとは思いますが、コーヒー1杯を飲むため、トランク1つに満杯紙幣を詰め込んでカフェに入ったところ、インフレがすごすぎて、コーヒーを注文して飲んでいる間にコーヒーの値段がトランク2つ分になってしまった、という逸話があったりします。
こうなってしまうと、人はお金に対する信用を失ってしまい、お金を使わなくなり、経済が回らなくなります

適度なインフレ

一方で、2%程度のインフレは経済にいい影響があり、人々の購買行動を促し、お金が循環する状況を作ります。
現在のゼロ金利の状況では、人はお金を銀行にお金を預けていても、増えるお金も微々たるものです。
一方で、冒頭で述べたとおり、インフレ率が2%だと毎年毎年お金の価値が2%ずつ下がっていきます。つまりゼロ金利の元では、預金しているだけでは実質的に損が出ていることになるのです。
そこで人々はお金を銀行に置きっぱなしにせず、物やサービスを購入したり、投資に回したりするようになり、お金が回り、経済にいい影響を与える、ということになります。
アベノミクスはこの状況を目指していた、ということになります。

デフレ

さて、ではデフレはなぜダメなのでしょうか。
これは上記のインフレの説明の逆、ということになります。
デフレが良くないとされる理由はいくつかありますが、上記のインフレの説明との比較では、デフレの下ではお金の価値が上がっていくため、預金をしている人は下手に物やサービスを購入してしまうとそうした物やサービスの価値が下がってしまうため、預金しっぱなしの方が得してしまう、つまり物やサービスが買われなくなってしまうことになります。
この状況ではお金が世の中を回らないことになります。

まとめ

子供向けにインフレの説明をどうやってするのか、という点を考えつつ、なぜ適度なインフレなら良いのか、という点についても触れてみました。

経済学の分野で、大人もなかなか理解が難しいところではあるのですが、わかりやすい例・簡単な例などを使って説明ができればいいですよね。

金融教育は、受ける子供のレベルを考える必要があるのでなかなか難しいですが、大人の方々は、将来活躍する子供のためにも是非トライしてみて欲しいなぁと思っています。

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