目次
はじめに
こんにちはMitchです。かなり久しぶりの投稿になります。
今回は東南アジア投資に関連し、東南アジアのIPOについて説明してみます。
2024年の東南アジアのIPO市場は低調なパフォーマンスを示しました。
デロイトのレポートによると、東南アジア主要6カ国でのIPO件数は136件、資金調達額は37億米ドル(約5,731億円)と、前年よりも減少した、とのことです。
この低迷の背景には、小規模IPOの増加や世界的な経済不確実性が影響していると考えられます。
具体的には、マレーシアがIPO件数および資金調達額の両面でトップとなり、消費関連のIPOが活発であった一方、インドネシアでは選挙年による市場の不確実性が影響し、大型案件が減少しました。
本記事では、東南アジアのIPO市場の国際的な位置付け、地域ごとの傾向、特徴、および今後の展望について詳しく解説します。
・東南アジアのIPOの状況がわかる
・東南アジア投資の足がかりになる
世界における東南アジアのIPO市場の位置付け
東南アジアのIPO市場は、世界の主要IPO市場である米国、中国、欧州と比較すると規模では劣るものの、成長市場として注目されています。
特に、経済成長が続く中、フィンテック、Eコマース、エネルギー、消費財といったセクターにおいて新規上場が増えています。
例えば、米国ではテクノロジー企業の上場が依然として主流であり、中国は国内規制の影響で海外上場が減少しています。
一方、東南アジアでは、地場の企業が国内取引所での上場を選択する傾向が強まっています。
シンガポール取引所(SGX)やタイ証券取引所(SET)などは、より多くの新興企業を誘致するため、規制の緩和や上場プロセスの簡素化を進めています。
東南アジアのIPOの傾向と特徴
東南アジアのIPO市場には、いくつかの特徴的な傾向が見られます。
マレーシアの躍進
2024年にはマレーシアがIPO市場をリードし、IPO件数は46件、資金調達額は15億米ドルに達しました。
特に、小売業の99スピードマートが約5億4280万米ドルを調達し、同国の過去7年間で最大のIPOとなりました。
インドネシアの市場縮小
インドネシアでは、IPO件数が前年の79件から39件へ、資金調達額が36億米ドルから3億6800万米ドルへと減少しました。
これは、選挙年による政治的リスクや世界的な市場低迷の影響が大きく、一部の企業が上場を見送ったことが原因と考えられます。
しかし、アダロ・エナジーの石炭部門スピンオフによるIPO計画(約2億9200万米ドル調達予定)など、大型案件も今後期待されています。
セクター別の特徴
セクター別の特徴は以下のとおりです。
消費財: IPO活動を主導し、全IPOの52%、資金調達額の64%を占める。
エネルギー&リソース: 特に再生可能エネルギー分野でのIPOが注目される。
ヘルスケア&ライフサイエンス: 高齢化と医療需要の増加により、今後の成長が期待される。
今後の東南アジアのIPOの動向予想
東南アジアのIPO市場は、2025年以降に回復の兆しを見せる可能性があります。以下の要因がIPO活動を活発化させる要因として挙げられます。
金融政策の変化
米国をはじめとする主要国の金利政策が緩和されることで、資本市場への資金流入が増加し、新興市場でのIPO環境が改善する可能性があります。
ESG投資の拡大
環境・社会・ガバナンス(ESG)に配慮した企業の上場が増加するものと思われます。
特に、グリーンエネルギー、持続可能な消費財、ESGを重視するファンドの影響で、再生可能エネルギー企業やサステナブルなビジネスモデルを持つ企業が積極的にIPOを検討する可能性があります。
テクノロジー企業の増加
Eコマース、フィンテック、AI関連企業の成長により、今後はテクノロジー関連のIPOが活発化すると予想されます。
シンガポールやタイでは、これらの企業向けに上場プロセスの簡素化を進める動きが加速しています。
まとめ
東南アジアのIPO市場は、2024年は低迷したものの、2025年以降の回復が期待されています。
特に、マレーシアやタイでは消費財・ライフサイエンス分野での上場が活発になり、インドネシアでも選挙後の市場安定化がIPO活動を後押しすると見られています。
また、ESG投資の拡大やテクノロジー関連企業の成長もIPO市場にプラスの影響を与えるものと思われます。
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