こんにちはMitchです。東南アジアで5年半ほど現地の法律事務所に駐在し、日本企業の海外進出のサポートをしてきました。今は日本に戻ってきています。
サポートをしてきた中で、現地で上手くいく企業、いかない企業は明確に差が出ていたように感じていました。
今にして思うと、現地で上手くいく企業というのはある程度類型化できるように感じています。
そこで、本記事では、海外進出で成功する企業の特徴について考えてみます。
・日本企業が海外進出する際のマインドセットのあり方
目次
海外進出で成功する日本企業の特徴
結論から言えば、海外で成功する日本企業の特徴は、
「日本での成功にしがみつかず、会社の立ち上げと同じマインドセットでいる会社」
ということになるかと思います。
確かに、
- 他社の失敗例を確認する
- 現地の慣行や規制などを事前に確認する
- 信頼できる現地パートナーを探す
といった技術的なところはもちろん重要で欠かせないところではあります。
しかし、やはり行動は意識のあらわれだと思いますので、こうした技術的なところ以上に、マインドセットの部分がより大切だと考えています。
以下で具体的に会社の立ち上げと同じマインドセットとは何なのか、説明していきます。
ゼロからのスタートだという意識
進出しようとする先の海外の方々は、進出しようとする会社の製品やサービスなど全く知りません。もっと言えば、現時点では興味すらありません。
こうした状況の中に販路を切り開こうとしたこと、海外進出しようとする会社はおそらく経験したことがあったはずです。
そうです、
「日本での会社の立ち上げ」
と同じなんです。
日本での成功体験を捨て、
ゼロからのスタートだという意識
さえあれば、困難に直面しても、「あぁ、そういえばこんな困難創業時にもあったよなぁ。立ち向かってみるか!」と思って立ち向かえるはずです。
駐在人材の選定
駐在人材の選定にも、上記の「ゼロからのスタートだという意識」が関係してきます。
「海外進出したい企業がコロナ禍でもできること」でも海外駐在候補人材の見定めについて少し言及しました。
私が東南アジアに駐在していた頃、新しく進出した企業でも元気があるなぁと感じた企業は、総じて駐在員が積極的で、外交的でした。
海外に進出する企業が日本で創業した際、おそらく創業メンバーにはこうした積極的で外交的なメンバーが多かったのではないでしょうか。
海外に進出することと、日本で支店を出すとか、規模を拡大するというのことは、根本的に事情が違います。
日本で支店を出すのは、地域は違えども、日本という同じ文化圏の中での拡張であり、日本での地位や名声をそのまま使って事業が展開できます。
いわば、「1を2にする」作業なんです。
人材としては、この「1を2にする」作業に向いている人、どちらかといえば管理型の要素が入っている人の方が向いているように思います。
一方で、海外に進出することは、日本で支店を出すのとはわけが違います。
つまり、「0を1にする」作業です。
ゼロからのスタートである以上、開拓者のような人材が向いています。
もしかしたらこうした開拓者のような人材は、事務に関する点、管理に関する点で劣ることもあるかもしれません。しかし、重要なところは事務とか管理ではないので、会社としても人材の選定を十分に考慮する必要があります。
典型的なマーケティング分析手法
マーケティングについては、「海外進出したい企業がコロナ禍でもできること」で4Pと4Cについて触れました。
日本での創業時、やみくもに事業を始めたのではなく、多少なりともマーケットについて考えたはずです。
それがSWOT分析とか、4P分析とかといった類型化されたものでなくても、自社の強み・弱みや、製品やサービスの強み・弱み、どういった顧客を想定しているのか、どう顧客にリーチするのか、といったことは考えたはずです。
ゼロからのスタートである以上、こうしたマーケティングについても同じようにまたやれば良いのではないかと思います。
そこでは、SWOTとか、4P・4Cといった典型的なマーケティング分析のフレームワークは国内で支店を展開するより、海外進出の分析の際にかえって役に立つのでは、と考えられます。
まとめ
他社の失敗例を確認する、現地の慣行や規制などを事前に確認する、信頼できる現地パートナーを探す、といった技術的なところはもちろん重要であることは否定しません。
今回は、その前提としてのマインドセットの部分について考えました。
1社でも多くの会社が世界で活躍できることを願っていますし、そのお手伝いができればと考えています。
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