ファンドラップを利用すべきか?【答え: No】【代替案も検討】

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こんにちはMitchです。たまに投資に関する相談を受けることがあり、何回かに1回は旧来型の証券会社が提供する「ファンドラップ」に関するものです。

この記事を投稿する2021年2月3日の日本経済新聞の記事で

スマホで投資一任 三菱UFJモルガン、10万円から利用可能」という記事がありました。
記事では、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、スマホを使った投資一任サービス「ラップ口座」の提供を開始するとのことで、スマホ経由で若い世代の取込みを強化するとのことです。投資一任にかかる手数料は年率1.1%(税込)を想定しているとの記載もありました。

そこで今回は、このファンドラップについて議論してみます。
最初に結論をお伝えすると、私は到底勧めることができない商品だと考えています。

この投稿を読むとわかること
・ファンドラップのメリット・デメリット
・ファンドラップを選ばないとしたら何を選べば良いのか

目次

ファンドラップとは何か?

ファンドラップとは、ある程度まとまったお金を金融機関に預け、今後の生活設計や投資の方向性などを金融機関の方と議論した上で、運用をこの金融機関に任せる仕組み・サービスをいいます。
今後の生活設計や投資の方向性については各投資家で異なるため、こうした異なる意向を個別に確認して投資方針に反映させる、というのがファンドラップの建前です。

ファンドラップのメリット

あとでファンドラップを通じた投資は勧めないと説明しますが、商品として存在する以上、それなりのメリットはあります。以下のとおりです。

投資に全く無知でも投資ができる

例えば知人から「早く投資はじめたほうが良いよ」などと言われて投資を始ようと考えてはみたものの、投資に関する知識が全くない、といった人にとっては、ファンドラップは投資を始めるためのいい商品になりえます。

証券会社等金融機関の窓口に行き、質問に回答して資金を入れれば投資が始まります。

その意味では、投資に関するハードルを下げてくれるものであることは間違いないです。

バランス型の投資ができる

投資といっても対象は、個別株、ETF、投資信託、REITそして債券等、多岐にわたります。

ファンドラップはバランス型の投資を目指す傾向が強いようで、もちろん個別株一本とか、債券のみといった偏ったものではなく、投資先にバランスをもたせることになる点はリスクヘッジという意味では良い点があるということができます。

ファンドラップのデメリット

上記のとおり、ファンドラップにはメリットもありますが、以下に述べるとおりデメリットが多すぎます。

コストが多すぎて利回りが低い

冒頭のニュースに記載されていたファンドラップの手数料は年率1.1%(税込)とのことですが、これはファンドラップというサービス自体の手数料であり、このサービスの中で購入される投資信託等の信託報酬についてはこの手数料に含まれていません。

これは、仮に安く見積もって信託報酬が1%だったとすると、手数料と信託報酬で2.1%は必ず投資の収益や、下手すると元本から減っていくことを意味します。

証券投資の場合、5%程度の利回りであればまあまあな利回りとされることが多いですが、このファンドラップを使ってしまうとここから必ず2.1%が差し引かれることになります。これでは良い利回りを得られるわけがありません。また運用成績が悪くても手数料はかかりますから、タダでさえ運用成績が悪いのに手数料のせいで元本が減るリスクも出てきます。

また、証券会社にお任せにしているせいで、証券会社の方で利益が出やすい、信託報酬が高い投資信託が選ばれてしまう可能性があります。

こうした点が理由となって消費者センターへの苦情として寄せられることもあるようで、ファンドラップについては金融庁も問題視しているとされる記事も散見されます。

カスタマイズされた投資といいにくい

ファンドラップを申し込む際、上記のとおり、今後の生活設計や投資の方向性などのコンサルティングを受けてポートフォリオをカスタマイズするのが特徴である、とお伝えしました。

しかし、具体的な商品はともかく、ファンドラップで扱う投資種類は限られており、結局コンサルティングといっても、単なるアンケートにとどまっているという点もよく指摘されています。

このように簡素化したアンケートをとるだけで多額の手数料をとる、というのは、事業の姿勢として好ましいとはいえないのではないか、と私は考えています。

ファンドラップを使わないなら何に投資すべきか

長期的な視野で投資する場合、減らすべきは定期的に発生する手数料や信託報酬です。

インデックスファンドであれば信託報酬も低いものでは0.1%といったものもそれなりにあるため、インデックスファンドを使いつつ、リスクヘッジのために分散投資をすれば足りるのではないかと考えられます。

そこで、例えば「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」であれば、信託報酬は約0.11%で、地域分散も効かせられますし、積立投資するなら時間分散も目指せます。株式という点では投資の種類の分散は効かせられませんが、この点問題なければ大変魅力的な投資先だと考えられます。
私もこの商品を積立投資しています。

店舗を多数持ち、固定費が大きい旧来型の証券会社は、こうした固定費が少ないオンライン証券会社にコスト競争で勝てるはずもないため、こうしたファンドラップ等の商品で投資家から手数料を得ようと工夫してきます。

投資初心者でも少し勉強すれば上記の投資信託が良い商品だということは発見できると思います。
何より大切な自分のお金ですから、投資をする前に一歩立ち止まり、少し勉強していただきたいと考えています。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

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