こんにちはMitchです。iDeCoとつみたてNISAの両方でS&P500に連動した投資信託を定額積立投資しています。
先日、新R25のYouTubeチャンネルで以下を視聴しました(追記: 2021年3月時点では見られなくなっているようです)。
厚切りジェイソンさんは、この4分以降で、ざっくり、
- 厚切りジェイソンさんはS&P500に連動する投資信託を積立投資している。
- S&P500に選定されている会社の売上の大半は海外から来ている。
- だからS&P500に投資すると世界を網羅することができる。
といった趣旨のことをおっしゃっていました。
今回は上記の2の点を深堀りしてみます。
・S&P500とは何か
・S&P500上位5銘柄の海外売上比率
・S&P500と全世界株式のインデックスファンドどちらに投資すべきかについての考え方
目次
S&P500と全世界株式のインデックスファンド
インデックスデックスファンドに投資する方の中での永遠の戦いともいえる、
「S&P500と全世界株どちらに連動するインデックスファンドに投資するか?」
という議論は、厚切りジェイソンさんの指摘によれば、
「S&P500に選定されている会社の売上の大半は米国外から来ており、世界経済の動向はS&P500銘柄の株価にも反映されることになるため、あえて全世界株に連動するインデックスファンドを買わなくとも、S&P500に連動するインデックスファンドを買っておけば良い。」
ということになると考えられます。これが本当はどうなのか、S&P500と全世界株式のインデックスファンドどちらに投資すべきか、以下で検討していきます。
S&P500とは
まず基本的なところから。
S&P500とは、主な上場市場が米国の証券取引所(ニューヨーク証券取引所やナスダックなど)の米国企業で、流動性が高い大型株から選定された500銘柄で構成される指数のことをいいます。
よく比較される指数としては、ダウ平均(ダウ工業株30種)やラッセル1000、2000、そして3000などがあります。
そしてS&P500に連動するインデックスファンドは、ETF(上場投資信託)と投資信託があり、代表的なものは、
ETF
Vanguard S&P 500 ETF (VOO)
が挙げられます。
ちなみに、インデックスファンドを投資信託のみと説明するウェブサイトもありますが、こちらのサイトのようにETFもS&P500という指数(index)に連動するファンドという意味でインデックスファンドといって良いのではないかと考えますが、統一されていないように感じます。
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What is an index fund?
An index fund is an investment fund – either a mutual fund or an exchange-traded fund (ETF) – that is based on a preset basket of stocks, or index.
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S&P500を構成する上位5社
S&P500の本サイトによれば同指標を構成する上位5社は、本稿を投稿する2021年1月30日時点では、
- Apple Inc (AAPL)
- Microsoft Corp (MSFT)
- Amazon.com Inc (AMZN)
- Facebook Inc A (FB)
- Tesla, Inc (TSLA)
となっています。FacebookについてはA株が挙げられており、実際のところB株といった別のクラスの株もありますが、ここは細かいところは置いておきましょう。
テスラが2020年12月21日にS&P500に組み入れられるまではAlphabet Inc A (GOOGL)が5位でした。グーグルですね。
S&P500を構成する500社全てを確認することは難しいため、以下では上位5社の海外売上について見ていきます。
S&P500上位5社の海外売上
1. Apple Inc (AAPL)
SECに提出された直近の決算となる2021年第1四半期報告書(10-Q)によれば、
とあり、米国外売上を計算すると…
(27306+21,313+8,285+8,225)÷(46,310+27306+21,313+8,285+8,225)≒0.58443
となり、約58.44%ということになりました。
厚切りジェイソンさんのご指摘のように大部分とは言わないまでも、全体の約6割が米国外の売上というのは驚きです(私含めアップル信者はたくさんいますしね)。
2. Microsoft Corp (MSFT)
SECに提出された直近の決算となる2021年第2四半期報告書(10-Q)によれば、
とあります。第2四半期決算なので該当する四半期の3ヶ月分とこれまでの合計の6ヶ月の期間での売上があるので、6ヶ月で米国外売上を計算すると…
39,369÷(40,861+39,369)≒0.49070
となり、約49.07%ということになりました。
マイクロソフトも海外の売上が約半分を占めることが分かりました。
それでも海外の売上が大部分を占める、とまでは言えないですかね。
3. Amazon.com Inc (AMZN)
SECに提出された直近の決算となる2020年第3四半期報告書(10-Q)によれば、
とあります。第3四半期決算なので該当する四半期の3ヶ月分とこれまでの合計の9ヶ月の期間での売上があるので、9ヶ月で米国外売上を計算すると…
66,945÷(160,936+66,945)≒0.29377
となり、約29.38%ということになりました。
これは米国での売上が約7割のため、海外の売上が大部分を占める、とは言えないですね。
4. Facebook Inc A (FB)
SECに提出された直近の決算となる2020年の年次報告書(10-K, 日本でいう有価証券報告書)によれば、
米国外売上を計算すると、
(2,183+20,349+19,848+7,335)÷85,965≒0.57831
となり、約57.83%ということになりました。
上記のアップル同様、全体の約6割が米国外の売上となっており、かなりの部分が米国外の売上であることがわかります。
5. Tesla, Inc (TSLA)
米国時間の2021年1月27日(水)に2020年第4四半期決算が発表されていますが、本稿を投稿する2021年1月30日(土)時点ではSECに10-Kは提出されていません。
また、会社のIRにShareholder Deckがありますが、海外売上に関する情報がありません。
そこで、SECに提出された2020年の第3四半期報告書(10-Q)を見てみましょう。これによれば、
とあります。第3四半期決算なので該当する四半期の3ヶ月分とこれまでの合計の9ヶ月の期間での売上があるので、9ヶ月で米国外売上を計算すると…
(4,044+6,675)÷20,792≒0.51553
となり、約51.55%ということになりました。
テスラも売上の過半が米国外の売上となっており、大部分とまでは言えなくても相応の割合が米国外の売上であることがわかります。
まとめ
S&P500上位5社の海外売上比率を確認しました。アマゾンは若干海外売上比率が低いものの、他の4社は約5割から6割程度の海外売上比率であることが分かりました。
確認した5社ではなんだか中途半端な結果になってしまったので、この事実からS&P500に連動したインデックスファンドを買うのか、それとも全世界株インデックスに連動したインデックスファンドを買うのか、迷います。
上記のとおり、S&P500構成銘柄については、6位以下でも、6位のアルファベット(グーグル)をはじめとして国際的にビジネス展開をしている企業が目立ちます。
今回は確認していませんが、海外売上比率が非常に大きい企業もあるのではないかと思われます。
このように考えると、S&P500に連動したインデックスファンドと全世界株インデックス連動したファンドは相応の関連性があると思われるため(別の投稿で全世界インデックスにおける米国株式の割合についても説明する予定です)、グダグダな結論ですが、
「正直どちらでもいい」
というように思います。
それよりは、何も投資をしていないことの方が問題があると思われます。上記が少しでも皆さんの投資に役立てば幸いです。
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