こんにちはMitchです。投資先の決算発表は毎回ドキドキしながら見ています。
自分が株式投資をする際の大きな検討材料として、
「営業キャッシュフローマージン」
があります。
会計用語ですので、会計に詳しくない方には少し毛嫌いされてしまうかもしれませんが、できるだけ簡単に、営業キャッシュフローマージンとは何か、その重要性について説明してみます。
・営業キャッシュフローマージンとは何か
・営業キャッシュフローマージンの重要性・有用性
目次
営業キャッシュフローマージンって何?
早速ですが、営業キャッシュフローマージンの計算方法を以下に示します。
営業キャッシュフローマージンを算出するためには以下の項目が必要になります。
(分子)=営業キャッシュフロー ←キャッシュフロー計算書から
(分母)=売上高 ←損益計算書から
試しにどうやって数字を引っ張ってくるか、やってみましょう。
遊んでみたいなぁと思いながらもなかなか抽選に当たらないPlayStation 5を製造するSonyの直近の決算(2020年第2四半期)で確認してみます。
まず、分子は資料の5ページ目にあるキャッシュフロー計算書から赤丸の部分を抜き出し…
(分子)=営業キャッシュフロー=633,481 (百万円)
と出てきます。
次に、分母は、4ページ目にある損益計算書から赤丸の部分を抜き出し…
(分母)=売上高=4,082,405 (百万円)
と出てきます。
結局、Sonyの2021年3月期 第2四半期の営業キャッシュフローマージンは、633,481÷4,082,405 ≒ 0.15517
ということで、
営業キャッシュフローマージン = 約15.52%
と出てきました。
営業キャッシュフローマージンは、営業キャッシュフローを売上高で割って計算されますので、営業キャッシュフローが大きければ大きいほど営業キャッシュフローマージンは増えるわけです(もちろん売上高で割るために、売上高が大きくなれば営業キャッシュフローマージンは減ります)。
つまり、簡単に言えば、キャッシュが潤沢になればなるほど営業キャッシュフローマージンが増える、ということになるわけです。
また、この営業キャッシュフローマージンは、年々増えていっていることも重要です。
成長する企業は、売上高が増えることに伴い、営業キャッシュフローも良くなっている必要があるのです。
一般的には、営業キャッシュフローマージンが15%以上あると、競争力がある企業である、と考えられており、現在のSonyは競争力がある企業である、と言って良さそうです。
なぜ営業キャッシュフローマージンが重要か、有用か?
上記のとおり、営業キャッシュフローは…
ということで計算されます。
このうち分母にある売上高は損益計算書の1項目です。
損益計算書は、過去の経緯から、粉飾決算がなされる場合には操作されやすいことが分かっています。
財務諸表についても、完全に機械的にはじき出されるものではなく、会計基準の範囲内で評価が可能です(「会計情報の提供プロセスにおける経営者の裁量の意義と問題点」など参照)。
一方で、分子にある営業キャッシュフローはキャッシュフロー計算書の1項目です。
キャッシュフロー計算書は、経営者の裁量が入りにくい会計書類と言われています。
可能な限りこうした裁量、恣意的要素が入らない項目で算出された指標を使うというのは投資家としては重要な点だと考えています。
まとめ
投資判断の際の指標として営業キャッシュフローマージンをご紹介しました。
投資判断に用いられる指標には本当に様々なものがあります。営業キャッシュフローマージンはその内の1つにすぎません。
上記のとおり、営業キャッシュフローマージンは簡単に計算できます。
投資するということでなくても、単純に競争力を確認する際にも使えますので、是非いろんな会社の営業キャッシュフローマージンを計算して、15%以上あるかな~と確認してみて下さい。
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