子供に対するお年玉を使った金融教育

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こんにちはMitchです。小学生の息子がいまして、息子が親戚などからもらったお年玉は全額ゆうちょ銀行に貯金させています。

先日、主宰している金融に関するコミュニティで、「子供のお年玉をどうしているか、またどうしたらいいのか?」というトピックでかなり盛り上がって議論しました。

せっかく子供がもらったお年玉だし、お年玉を減らすようなことはできない、という意見が大半のでした。
その一方で、中学生のお子さんに証券口座を開設させて、お年玉を使って投資信託を毎月定額積立てさせているという方もいらっしゃいました(金融リテラシーが揃って高いご夫婦です)。

そこで、今回はお子さんへの金融教育という観点から、お年玉をどうすべきか、子供にどう考えてもらうべきか、という点について考えてみます。

この投稿を読むとわかること
・子供への金融教育が重要であること
・お年玉を使った金融教育の方法

目次

子供への金融教育の重要性

まず、一般的に金融教育について大人がどう思っているのか、子供がどう思っているのかについて説明します。

金融広報中央委員会が2019年に実施した「金融リテラシー調査(2019年)」から調査結果を抜粋しながら、子供への金融教育に関する問題点を考えてみます。
同調査結果の金融教育の項目については、調査結果21ページで、

・学校において金融教育を「行うべき」との意見は67.2%あるが、実際に受けたとの認識がある人はそのうちの8.5%。また、教員のうち受けたとの認識があるとの回答は、9.7%。
・全体でみても、学校において、家計管理や生活設計に関する授業などの「金融教育」を受けたとの認識がある人は、7.2%。
―― 因みに、家庭で「お金の管理」といった金融教育を受けたとの認識がある人は、全体の20.3%。
・また、金融知識について自信のある人は12%程度。

とあり、学校における金融教育の必要性は認識されつつも、実際に金融教育がなされていない現実が浮かび上がってきています。

また、5問ある「金融リテラシークイズ」の結果については、調査結果22ページで、

・生活設計や家計管理などの「金融教育」を受けたと認識している学生の正答率(53.6%)は、そうでない学生の正答率(39.6%)よりも高い。
―― また、「金融教育」を受けたと認識している学生は、金融経済情報の入手頻度やお金の長期計画をするなど、望ましい金融行動をとる割合も高く、金融教育の必要性についてもより強く認識している。

とあり、金融教育を受けた学生とそうでない学生との間に有意な差があることが分かります。
ちなみにこの金融リテラシークイズ、大人でも満点取るのはけっこう難しいのではないかと思われる問題もあります。

このように、しっかりした金融教育が受けられていない子供が大人になった結果、大人も金融リテラシーが低いまま、という状況が生じており、日米の比較でも、日本人はアメリカ人に比べると金融リテラシークイズの正答率が低い、という結果が出ています。

・共通の正誤問題の正答率は、日本47%(前回:47%)に対して米国53%(同:57%)と、米国が日本を上回っている。
・①年齢が高くなるにつれ正答率が高まること、②金融教育を受けた人の正答率が平均よりも高い点は、日米とも共通している。
・なお、「金融知識に自信がある人」(「とても高い」と「どちらかとかいえば高い」との合計)の割合は、米国は76%と日本の12%を大きく上回っている。
※海外との比較に当たっては、金融商品や金融サービス、税制、教育制度等の面で事情が異なるため、幅を持ってみる必要がある。

上記のとおりですので、子供の将来の金融リテラシーを上げるため、金融教育をしていくのは非常に重要ということになります。
お年玉をどう貯めていくのか、どう増やしていくのか、そしてどう使っていくのか、というのは金融教育の格好の素材になり得ます。

お年玉を使ってどのように金融教育をしていくか

では、お年玉を通じてどのように子供に金融教育をしていけば良いのでしょうか。

まず、お年玉は子供のものであり、目減りをさせることはできるだけ避けたい、という前提があります。
この前提を置いた上で、どのように金融教育と結びつけるか、が課題となります。
考え方はいくつかあるとは思いますが、以下の3つが考えられます。

  1. 預貯金させる
  2. 国債を買わせる
  3. 一部を積立投資させる

預貯金させる

ほとんどの親御さんは、子供のお年玉を預貯金で管理させているのではないかと思います。
これは目減りを避けるという目的からは合理的なように思えます。

ただ、預貯金の金利以上に物価上昇(インフレ)が起きている場合、預貯金の価値は、買うことができる物との関係では減っている、ということができます。

このように、預貯金をしつつも、親御さんは子供さんに対して、

  1. 現金や預貯金とインフレの関係

を中心に、経済や金融に関する知識を伝えることが可能なはずです。

国債を買わせる

安全な投資先として個人向け国債を買うという方法も考えられます。

この方法も立派な投資ですし、いろんな意見があるかもしれませんが、安全資産ということが可能です。

国債を買うことを通じて、親御さんは子供さんに対して、

  1. 預貯金と国債の違い
  2. 国の借金としての国債の位置付け

などを教えてあげることができるはずです。

一部を(投資信託など)定額積立させる

価格の変動がある投資商品を買う場合、資産が目減りする可能性があることは前提としつつも、お年玉の一部(1割や2割)を、例えば12等分して毎月投資信託などを定額積立てさせる、というのも1つの方法かと思います。

お年玉の一部とはいえ目減りする可能性があることを踏まえ、この可能性については投資先自体の説明とともに、親御さんは子供さんに十分に説明することになります。
子供さんは、この説明で、

  1. 投資商品にはリスクがあること
  2. リスク回避のために現預金を残し、資産の分散をすることが大切なこと
  3. 定額積立てという方法は優良な投資方法であること

などを学べるはずです。
資産が目減りする可能性がある点でなかなか躊躇してしまうかもしれませんが、金融教育という面ではとても有効な方法であると考えます。

まとめ

子供に対する金融教育の重要性について触れた上で、お年玉を使った子供に対する金融教育の方法について考えてみました。

楽天証券やSBI証券といったオンライン証券会社でも、未成年の証券口座を開設することは可能です。

金融に関する知識や経験を蓄えた子供が大人になり、世界の激しいビジネスの世界で活躍している姿を想像するとワクワクしますね。
そのためにも、子供に対する金融教育を意識すべきだとあらためて感じています。

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