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よくある「大学出た方が良いよ」の論拠
昔からよく言われている大学を卒業することを勧める論拠は以下のとおりです。
- 大卒の肩書
- 4年間の自由な時間
- 能力証明と社会的信用
- 企業への新卒採用の機会
確かにこれまでの典型的な学生→就職のパターンをたどるなら意味のある理由かもしれませんが、
「自分でやりたいことがあるなら大学に行くのは時間の無駄だからさっさと始めたほうが良いよ」
という意見の反論になりうるものは無いように感じます。
敢えて挙げるとすれば1の大卒の肩書程度でしょうか。自分で事業をする場合、相手が肩書を気にするということはもちろんあり得ます。
ただ、相手が肩書を気にしないということももちろんあり得ますので、この点だけを理由に大学を卒業するというのは意味があるとも思えません。
一方で、海外で活躍したいと考える人にとって、「大卒」という言葉の意味は非常に大きいものになります。
海外で仕事をすることと「大卒」の関係
以下では、海外で仕事をする場合には、「大卒」以上の肩書を持っていないと圧倒的に不利になる、という説明をしていきます。さらに、単に「「大卒」以上の肩書」ということだけではなく、できるだけ「いい大学」「知名度のある大学」の方が有利である、という点についても併せて説明します。
List of acceptable institutions
事前に雇用パス(ビザ)が出る可能性が高いか判断するツールも用意されています。
Employment / S Pass Self-Assessment Tool (SAT)
「List of acceptable institutions」に大学名を入力すると、Training Employment Passの取得が認められる大学が明示されます。
試しに日本の有名大学を入力してみると
東京大学 | ○ |
京都大学 | ○ |
早稲田大学 | ○ |
慶応大学 | ○ |
となり、有名大学は問題なく認められそうだ、と分かります。
では、日東駒専といった中堅校ではどうでしょうか。
日本大学 | ○ |
東洋大学 | × |
駒沢大学 | × |
専修大学 | × |
日東駒専のうち、日本大学は認められるものの、それ以外の大学は対象でないとされています。
確かにシンガポールのTraining Employment Passは通常のEmployment Passとは異なりますし、長期に勤務する際に必要となるのはEmployment Passです。
Employment Pass申請の際に政府が卒業大学名をどのように評価するまでは分かりませんが、Training Employment Passの基準としてあえて受け入れる大学名を具体的に挙げているところからすると、Employment Pass審査の際に卒業大学名を考慮に入れている可能性は高いと考えます。
実際、私がシンガポールに駐在していたころ、Employment Pass申請と取得の時間差について知人の何人かに聞いたことがあったのですが、米国の有名大学院を卒業した人には申請の翌日にPassを取得できたというケースがあった一方で、日本のある大学を卒業した人では申請後何週間もかかったというケースがありました。
上記はシンガポールに限った議論ですが、他の国についても最終学歴、そして卒業学校名を就労ビザ発給の際に考慮に入れているところは多いのではないかと思います。
ざっとウェブサイトを見てみたところ、日本人が多く働く国の就労ビザ発給の要件は以下のようです。
国名 | 要件 |
米国 | ビザの種類による(H1-Bについては大卒以上) |
中国 | 原則大卒以上 |
カナダ | 原則大卒以上 |
香港 | 原則大卒以上 |
タイ | 制限なし |
5カ国挙げましたが、就労ビザ発給の要件として「原則大卒以上」とする国が多いようです。
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