独学で合格するFP3級の学習法【アウトプット中心】

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こんにちはMitchです。
金融の基礎知識を広く浅く確認したい、ということを目的に、2021年9月12日(日)にFP3級を受験してきました。

合格率もそれなりに高く、自分で準備もできるのではないかと考えたことから、市販のテキストのみで試験準備をして本番に臨みました。
そして…

2021年10月25日(月)に発表があり、無事に合格していました!

合格証書に加えて、成績表も送られてきました。

(合格証書)

(成績表)

冒頭に書いたとおり、今回の試験の目的が「金融の基礎知識を広く浅く確認」する、というものだったのですが、FP3級は金融リテラシーが現状それほど高くなく、これからリテラシーを上げていきたい、と考えている方にとってとても有用だと感じましたので、今回は、

金融の知識を付けるためにFP3級受けてみたいけど敷居が高いし、合格できるか全然自身がなくて手が出にくいなぁ…予備校などの教材を買うのも高そうだしなぁ…

といった方に向けて、完全独学でFP3級に合格するためのヒントを説明していきます。

読者として想定するのは
1日30分程度しか勉強時間にあてられない社会人
で、要するに「勉強時間があまりない人」を想定して書き進めていきます。

「この記事を読む時間がない人」は、前半は試験の概要を説明するので、後半からでも是非ご覧下さい。

この投稿を読むとわかること・読むメリット
・FP3級試験の概要がわかる
・FP3級は独学でも十分に合格できることがわかる
・合格するにはテキストでインプットするより問題集でアウトプットする方が大切であることがわかる
・正確に数字を記憶することが大切なことがわかる

目次

FP技能検定とは

FP技能検定=ファイナンシャル・プランニング技能検定

省略されて呼ばれることの多いFP技能検定ですが、正式名称は「ファイナンシャル・プランニング技能検定」で、文字通り他人の資金計画を立案する技能を確認するための試験、ということになります。
そして、人は有形無形さまざまな資産を持っており、さらにさまざまな夢や目標があるため、こうした夢や目標の実現に向けどのように資産を有効活用していくのかを考えることになるため、金融に関するさまざまな分野に関する知識が必要になってきます。

日本FP協会のサイト「ファイナンシャル・プランナー(FP)とは」では、FPが関わる場面として以下のような例を挙げています。

(日本FP協会のサイトより)

試験日程 – 通常4か月毎に年3回

試験は、通常は4か月毎に、年3回開催されています。
2021年度は以下のようなスケジュールとなっています。

試験日 受検申請期間 合格発表日
第1回 2021年5月23日(日) 3月12日(金)~4月1日(木) 6月30日(水)
第2回 2021年9月12日(日) 7月6日(火)~7月27日(火) 10月25日(月)
第3回 2022年1月23日(日) 11月9日(火)~11月30日(火) 3月4日(金)

ざっくり試験の2か月前に申込みが開始されるスケジュールです。

受験資格 – 誰でも受験が可能

FP3級については、受験資格は「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」となっていますので、要するにやる気があれば誰でも受験できる、ということですね。

等級 受検資格 受検申請に必要な事項
3級 FP業務に従事している者または従事しようとしている者

問題数と合格基準 – 6割正答すれば合格

試験の種類は2種類に分かれており、学科と実技です。
実技といっても実際に資金計画を立てたりする作業をする、ということではなく、学科と同様ペーパーテストです。

イメージとしては…

学科…1つの知識の正確性を確認するテスト
実技…知識を横断的に利用して回答を導き出すテスト

といった感じです。

学科・実技ともに全体の6割正答できれば合格です。
ちなみに昨年受験した令和2年度の宅建は50点中38点以上が合格ということで、7割5分以上正答しないと合格できなかったことからすると、6割で合格できるというのは正直言ってそこまでハードルは高くないように感じます。

等級 試験種類 出題形式 問題数 試験時間 合格基準
3級 学科 筆記(マークシート形式) 60問 120分 36点以上(60点満点)
実技 筆記(マークシート形式) 20問 60分 60点以上(100点満点)

私は学科が60点満点で51点(60問中51問正解)、実技が100点満点で80点(20問中16問正解)で、学科は8割5分の正解率、実技は8割の正解率でした。

ちなみに、試験問題と解答は「試験問題・模範解答」のサイトにあります。
実際に私が受験した2021年9月実施の試験問題を見てみると…
学科は…

 

(日本FP協会のサイトより)

といった感じで、1つの知識が正確かどうか問われるイメージです。

一方で、実技は…

(日本FP協会のサイトより)

といった感じで、知識を組み合わせて回答を解答を導く感じです。

試験の分野 – 大きく6分野

試験の分野は以下の6分野です。

・ライフプランニングと資金計画
・リスク管理
・金融資産運用
・タックスプランニング
・不動産
・相続・事業承継

各分野からの問題数はバランスがとれていますので、6分野まんべんなく押さえていく必要があります。

FP3級に合格するだけではファイナンシャル・プランニングはできない

念のため確認しておきますが、勉強法FP3級の勉強を勧める記事を書いているのに本末転倒では?と思われるかもしれませんが、FP3級レベルではファイナンシャル・プランニングをすることは難しいです。

他人の資金計画を練るにあたっては、FP3級以上に、もっと個別具体的な内容に対応できる知識が必要なのではないかと考えられます。

FP3級は、

  1. 他人の資金計画を練る仕事をする入り口の基礎的な知識の確認
  2. 金融に関する知識を広く浅く網羅

のいずれかの目的で受験することになるのかな、と考えています。

もし上記の1が目的であれば、FP2級、そしてFP1級と進んでいくことになると思います。

独学で合格するFP3級の合格法

FP試験の概要を踏まえ、FP3級に独学で合格するための具体的な方法について説明していきます。

冒頭で記載したとおり、読者として想定するのは
1日30分程度しか勉強時間にあてられない社会人
を想定しています。

ちなみに勉強する時間がある方は、テキストじっくり読み込んで、問題何度も繰り返す、というものでいいと思います。

インプットから先にやらない – 常に問題演習が先

試験を受けるぞ!と意気込んだ段階では、おそらく試験に必要な知識はほとんどない、というのが多くの皆さんの状況だろうと推測します。

その状況で、テキストを買ってまずはインプットしていきたくなる気持ちは分かります。

ただ、勉強時間が限られている方にとって、メリハリをつけずにインプットをする作業は時間効率が悪いです。

間違えまくっても最後に全体の6割取って最後に合格できればいいので、まずは問題演習から始めましょう!

インプットは、問題演習を終えて、知識があいまいだな、理解の程度が弱いなと感じる点を自分で理解して初めてやり始めるということで十分ですし、むしろその方がテキストの重要な部分を意識して読むことができ、理解と記憶が定着します。

私はテキストは買ってはみたものの、じっくり読んでいる時間がないためほとんど読まず、問題集の解説と、解説の中にある整理表を何度も見返していました。
問題演習をやった後にテキストを確認するか、問題集の解説にある整理表を確認するかは好みかと思いますので、どちらでもいいのでは、と思っています。

ちなみに私が買ったテキストと問題集は以下です。

アマゾンではテキスト・問題集ともに最も売れているもののようですし、実際に試験会場でこのテキストを読んでいる方が非常に多かったです。
是非手に取ってみて下さい。

問題量 – 問題集1冊と過去問公表分だけで十分

問題の量については、


この問題集と公表されている過去問をやるだけで十分ではないかと考えています。

1日30分勉強できるとすると、試験申込後試験までの時間で1冊やりきるのが精いっぱいではないかと見込まれます。間違えたところの確認をして、知識を整理しつつ進める場合、そんなに簡単にスラスラとは進まないと覚悟しておいた方が良いです。

そして、1冊やるだけで十分です。
問題数もそれなりにありますし、もし効率的に進めることができ、最後まで問題をこなすことができたら、間違えた個所を何度もやる方が知識が定着します。

過去問は本番のイメージづくりと、本番の問題の順序に慣れるという意味合いがあります。

数字を記憶することの重要性

私がけっこう重要だなと思いつつ苦戦したのが各分野の重要な数字を覚えることでした。

上で説明したとおり、FP3級で出題される分野は以下の6つです。

・ライフプランニングと資金計画
・リスク管理
・金融資産運用
・タックスプランニング
・不動産
・相続・事業承継

この中でもそこまで細かく数字を覚えなくても良い分野も確かにあります。

一方で、不動産と相続・事業承継の分野、特に税に関する部分については詰めて数字を理解・記憶しておく必要があります。例えば…

50㎡
120㎡
200㎡
240㎡
1,000㎡
3,000㎡

これらの面積は、不動産と相続・事業承継の分野で覚えておく必要がある数字です。
ただ、これらをなんとなくで覚えることは難しく、いつどんな点で使われるのか意識して覚えていく必要があります。

ちなみに、本番で私は以下の2つを間違えました。
記憶していた数字があいまいで自信をもって回答することができませんでした。

問題や解説で数字が出てきたら強く意識して、他の似た数字との比較をしてしっかり記憶していく必要があります。

解く分野の順番

上記の6つの分野は均等に出題されます。

テキストや問題集はライフプランニングと資金計画から始まるものが多いですが、ここから始める必要はありません。

ざっとテキストや問題集をながめてみて、馴染みがありそうなところからやりはじめたらいいのでは、と考えています。

ちなみに私は「宅建の勉強法と宅建資格の有用性【不動産投資家におすすめ】」で投稿したとおり、2020年秋に宅建を受験していて不動産に関する問題に馴染みがあったので不動産分野から解き始めました。

勉強時間をどうやって確保するか?

勉強の方法は分かった、でも勉強時間を確保するのが難しいんだよね…という方も多いのではないでしょうか。

この記事を読まれている方は社会人の方が多いのではないかと推測しています。

仕事終わりの夜に勉強をするのはなかなか難しいように思います。疲れてしまって勉強に向かうモチベーションを上げるのがなかなか大変ではないかと、私の経験からも想像します。

そこで、やはり勉強は朝、ちょっとでも早起きしてやるのが良いのでは、と考えています。
20分でも30分でもいいと思います。
早起きして、スッキリした頭で勉強する方が効率的で効果も高いはずです。

なかなか1人では起きられないよ…という方は勉強仲間を作って、Zoomなどで朝のバーチャル図書館を立ち上げる、という方法もあります。

勉強仲間がいないよ…という方、そこは何とか自分で探して下さい!

まとめ

FP3級の試験の概要と勉強方法について説明してきました。

FP3級は、今は金融リテラシーがそれほど高くないけれども、勉強を通じてこれから金融リテラシーを上げていきたい、と考えている方にとってとても有用な試験だと思いますし、勉強を通じて自分の金融の見方が変わる大きなきっかけになる機会だと考えています。

簿記3級とともにおすすめの資格だと思いますので、興味のある方、是非チャレンジしてみて下さい。

本記事が皆さんのFP3級受験に向けたお役に立つようでしたら幸いです。

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