海外進出したい企業がコロナ禍でもできること

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こんにちはMitchです。東南アジアで5年半ほど、日系企業の海外進出や、進出済みの日系企業に対するアドバイスをしていました。

本記事を投稿する2021年1月19日時点では、全世界に新型コロナウイルスが広がっており、各国がその対応に追われています。
このため、国をまたぐ往来に制限があり、海外進出を目指す企業にとってはなかなかモチベーションが上がらない状況になっていることは確かです。

しかし、近い将来必ずこの往来制限は緩和され、新型コロナウイルスが広がる前の状況になるはずです。
海外進出を目指す企業にとって、現在の身動き取りにくい状況を上手く活かし、いざ往来制限が緩和された状態になったらすぐに動き出せる体制を整えて欲しいと願っています。

そこで、本記事では、海外進出を目指している企業がコロナ禍でもできることについて提案してみます。
すでに海外進出をしている企業にとっても、更なる成長のきっかけになる記事になればと願っています。

この投稿を読むとわかること
・海外進出したい企業が今この時点ですべきこと

目次

海外進出を目指す企業が今すべきこと

実際に従業員を海外に出張させなくても、国内でやれることは山ほどあります。
以下の項目について、是非検討してみて下さい。

海外進出目的の再確認

海外進出を目指す目的が、「日本のビジネスでは先がない」、とか、「他の企業が海外に進出しているから」といった消極的・受動的なものである場合、厳しいようですが、仮に海外進出したとしても成功する可能性はかなり低いように感じます。

海外進出したいと考え始めた出発点をまず振り返ってみましょう。
上記のような消極的・受動的な目的ももちろんあるとは思います。しかし、例えば「発展途上国の経済成長に貢献したい」とか「自社をより1段高みに持っていくために国際化したい」とかといった、もっと積極的・主体的な目的もあるはずです。

実際に海外に拠点を作ったり、人を送ったりという作業の中では、こうした積極的・主体的目的が会社や従業員を動かす原動力になると信じています。

自社の強みと消費者のメリットの双方からの検討

話が全くそれちゃうのですが、もう20年位前に私が司法試験の受験をしていた頃、住んでいるところの近くにあったラーメン屋が気に入り、足繁く通ったことがありました。
立地はかなり悪く、環七沿いの歩道橋や大きな街路樹の影に隠れる場所にありました(ココです。)。
当時からお客さんが少ないなぁとは思っていたのですが、店主は

「良いものを出してる限り必ず売れる!」

の一点張りで、マーケティング活動らしきものは一切やっていませんでした。
その割には「ここは立地が悪い…」などとぼやいているような状況で、お客さんは増えませんでした。

結局このラーメン屋さんはしばらくして閉店しました。
海外進出の件ではないですが、マーケティングという観点からは学ぶべき点があるように感じます。

マーケティングでは、マーケティング・ミックスの枠組みとして以下の4つのPの要素について考えることを促しています。

  1. Product(製品)
  2. Price(価格)
  3. Place(流通)
  4. Promotion(販促)

上記のラーメン屋さんの例では、Product(製品)やPrice(価格)には問題がなかったものの、Promotion(販促)に問題があったために上手くいかなかった、ということになります。

また、私が海外駐在をしていたころ、「良いものであれば売れる」という思考を持っている企業は少なくなかったように感じていました。
あとは、顧客になりうる層は、普通は各国の厚い中間層のはずなのに、富裕層を狙っているとしか思えない会社もいらっしゃいました。
1人の人は異常な量食べられないし、異常な枚数の服いらないし、異常な程度のサービスいらないんです。それを考えるとたくさんの顧客に商品やサービスを提供する方がいいのでは?と考えていました(マーケティング的には「ペルソナの設定」ですね。)

最近は上記の4Pから下記の4Cで考えましょう、といった、「プロダクトアウトからマーケットインへ」という流れがあるようなので、下記の4Cで考えてみるというのも1つかと思います。

  1. Customer Value(顧客価値)
  2. Cost(顧客にとっての経費)
  3. Convenience(顧客利便性)
  4. Communication(顧客とのコミュニケーション)

提供側から見るか、顧客側から見るかの違いなので、両方から考えたらいいように感じます。

海外駐在候補人材の見定め

コロナ禍が落ち着けば、中にはターゲットの国に駐在員を送り出す会社も出てくるはずです。

今の段階から、

「彼/彼女が海外人材として適しているのではないか?海外人材となることを希望しているのではないか?」

といった目で是非従業員さんを見てみて下さい(在宅勤務で実際に見るのは難しい会社さんもあるかもしれませんが…)。
思いがけない人が海外人材候補として浮上してくるかもしれません。

まとめ

海外進出を考えていた企業経営者の皆さん、コロナ禍の今は、実はじっくり立ち止まって考えられる時期だったと前向きに捉えていただだいて、是非今この時点でぐっとしゃがんで、ジャンプする日を待ってみて下さい。

きっといい海外進出・海外展開ができるはずです。

以前投稿した「【まずは小さな一歩から】海外進出をしたい企業のために」も是非ご参照ください。

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