ゼロサムとプラスサム【暗号通貨投資と株式投資】

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こんにちはMitchです。

この記事を書いている2021年1月時点でビットコインは3万米ドルを超え、暗号通貨は沸いています。
ビットコイン相次ぐ市場参入 3万ドル突破
機関投資家も自己勘定で投資に参加していると報じており、この活況はある程度定着してきたのではないか、と見られています。

一方で、流行りものに弱い自分がなかなか暗号資産投資にのめりこめないことも感じており、その理由は何なのだろう、と考えていました。
2つ理由が上がってきました。
1つは、暗号資産に投資することの理由が、「お金を増やしたい」ということ以外になかなか思いつかないという点。
もう1つは、暗号資産に投資して自分が儲かると、その裏側で必ず損している人がいることが明らかだという点。
これまでいくつかの稿で目的と理由については議論してきたので、今回は、2つ目の理由について考えてみたいと思います。

この投稿を読むとわかること
・ゲーム理論のさわりがわかる
・ゼロサムゲームとプラスサムゲームの違いがわかる

目次

ゲーム理論とは

交渉の場面で考慮されることが多いゲーム理論ですが、あらためて一言で言うと何なのか、というと、

「社会や自然界において、複数の主体が関与してなされる意思決定の問題及びその複数の主体による行動の相互依存的状況について、数学的なモデルを用いて研究する学問」

といえます。
ビジネススクールで「Gage Theory」という1つのコースがあるくらいすでに確立された学問分野です(このコースは実際に受講しました。ゲーム理論の面白さを伝えてくれるとても良い授業だったと記憶しています)。
ゲーム理論の中で、ゼロサムゲーム、プラスサムゲーム、マイナスサムゲームという考え方があります。
このうち、今回は暗号通貨投資と株式投資をこのゼロサムゲームとプラスサムゲームに当てはめて考えてみます。

ゼロサムゲームと暗号通貨投資

ゲーム理論におけるゲームのタイプとして、プレーヤーの利益の総和(Sum)がゼロ(Zero)となるようなゲームをゼロサムゲームと言います。
ゲームが引き分けに終わる場合には総和はもちろんゼロですが、引き分けではなく、勝ったプレーヤーがいた場合、負けたプレーヤーが必ずいることになり、その利益の和はゼロになるというものです。

暗号通貨投資は、ゲーム理論でいうゼロサムゲームに該当すると理解しています。さらには、取引所の介在に伴う手数料分や税金を考えれば後述するマイナスサムゲームに該当するともいえるかもしれません。

後述する会社の株式と異なり、暗号資産という投資先が新しく何か価値を生み出すということはなく、配当もありません。
現在は価格の上昇局面にあり、みんなが利益を得ているような感覚になりますが、実態はめちゃくちゃ規模の大きい「ババ抜き」をやっているようなもので、損を誰かに先送りしているに過ぎない、と私は理解しています。

プラスサムゲームと株式投資

一方で、ゲーム理論におけるゲームのタイプとして、プレーヤーの利益の総和(Sum)がプラス(Plus)となるようなゲームをプラスサムゲームとかポジティブサムゲームと言います。
(ちなみに、その反対で、ゲーム理論におけるゲームのタイプとして、プレーヤーの利益の総和(Sum)がマイナス(Minus)となるようなゲームをマイナスサムゲームとかネガティブサムゲームと言います。)

株式投資にも証券会社の取引手数料や利益を得た場合の税金などもちろんありますが、株式投資は、ゲーム理論でいうプラスサムゲームになりうると考えています。
会社が順調な経営で利益を出し続け、配当を出せるようになれば、この配当分については、例えば高値づかみした人であっても恩恵を享受することができるわけです。

この点が暗号通貨投資と株式投資の決定的な違いで、私が、株式投資特ににグロース株投資には何だか積極的になれるのに、暗号通貨投資になかなか積極的になれない理由なのかな、と感じています。

ちなみに債券やFXへの投資も気乗りがせずやっていないのですが、これも暗号通貨投資に対する感情と同じような者があるからなのかもしれません。

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